セクシュアリティ教育

文学

岸本佐知子さんの捨てられない話

作家と読者の衝突というのは、常につきものである。 読者が小説を読み、この本は退屈だ、セックスばかり――と抜かして落胆するが、作家からすれば、普段私たちの日常こそ平凡を装った、どきついバイオレンスの連続ではないか――と反論したくもなる。地上の...
文学

ことば―この世はフーゾクをさだめるなり

私が運営しているウェブサイト[カゼヒカル やましい大人の性のテクスト]では、オトナの世界に特化したセクシュアリティのトピックを書き連ね、投稿配信している。いうなれば、〈ここはオトナの性の話をするところだから、子どもは見ちゃダメよ、向こうへ行...
性教育

「ロンドンの小景」と二股でバグる世界

【フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのCDで「ロンドンの小景」を聴く】 コレが気になり始めて止まらない――私の思うがままのスクショ記録から、世の中の態やヒトの心の中をあぶり出すバグる世界。前回のお坊っちゃまたちの話から間髪入れず、...
書籍

エンタメの魔法の雑誌だった『ぴあ』

【イラストを描いたのは及川正通さん。都はるみさん表紙の『ぴあ』1992年12月1日号】 私の古き青春時代に欠かせぬ友となっていた雑誌『ぴあ』(ぴあ株式会社)を懐かしんで紹介するのは、もしかすると特別な事情がない限り、これが最後ではないかと思...
文学

岸本佐知子さんの虫が知らせる工作員

ごく最近、ジョン・アーヴィング(John Irving)の『ホテル・ニューハンプシャー』(“The Hotel New Hampshire”)と『サーカスの息子』(“A Son of the Circus”)の文庫本を買った。『サーカスの息...
映画

友という領空侵犯―『ロボットドリームズ』を観て

【パブロ・ベルヘル監督の映画『ロボットドリームズ』】 ネット上で知り合ったひろひろ(ナギ)さんが『ロボットドリームズ』について書き記し、それに私も追随してこの映画について書いておこう――というのが今回の趣旨。満を持してひろひろさんが提起した...
文学

伴田良輔の「ゲイの顔」

【伴田良輔著『愛の千里眼』(河出書房新社)】 その時代、街の大通りに軒を連ねていたのは、個人経営の商店だった。我が片田舎の町(街)の話である。 それが今では、どこも均一化して、無機質な雑居ビルばかりとなり、テナントは大概、学習塾である。四方...
文学

ウォーホル解禁―伴田良輔の「キスの連鎖」

【伴田良輔氏の名著『奇妙な本棚』(芸文社)】 たぐいまれな文筆家・芸術家の伴田良輔氏の名著『奇妙な本棚』(芸文社/1993年刊)を前回取り上げたのは、もう4年も前になってしまう。「ローリー・シモンズの水中バレエ」。 Amazonでこの珍本を...
ビジネス

朝井リョウさんのしあわせって何だっけ

【出たばかりの朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)】 先日、朝井リョウさんの最新刊『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)が刊行された。ずっと以前から日経新聞で連載していたのは知っていた。タイトルだけ。でもこれが...
ビジネス

『平凡パンチ』とサントリーレッド

【週刊誌『平凡パンチ』に掲載されていたサントリーの広告。宇津井健さん】 お酒は飲みすぎると危険だよ、というようなことを書いた「アルコール依存とオフライン女子のこと」のかたわら、手の裏を返したように〈お酒を飲みましょう〉と謳うのは、多少気が引...