ビジネス

文学

ウォーホル解禁―伴田良輔の「キスの連鎖」

【伴田良輔氏の名著『奇妙な本棚』(芸文社)】 たぐいまれな文筆家・芸術家の伴田良輔氏の名著『奇妙な本棚』(芸文社/1993年刊)を前回取り上げたのは、もう4年も前になってしまう。「ローリー・シモンズの水中バレエ」。 Amazonでこの珍本を...
文学

余韻で人生を繋ぐという話

【私も真似をして、青空に電信柱】 バナナのジャケットのCDアルバムに聴き惚れる。思わず、そのぬるっとした世界に溶け込んでしまったりする。 鮮やかなロックンロールと、霞みがちな淡いロックンロールのテイストのちょうど中間に、調和されたサウンドが...
食べ物

岸本佐知子さんの食べるもの捨てるもの

【筑摩書房のPR誌『ちくま』から岸本佐知子さんの「ネにもつタイプ」】 もはや、精緻な器官による皮膚感覚というべきものに、身悶えしてしまう――。 食べるもの、すなわち口に入れていただくものへの感謝の念がこもっていて、その食材の細部にこだわり、...
ビジネス

朝井リョウさんのしあわせって何だっけ

【出たばかりの朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)】 先日、朝井リョウさんの最新刊『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)が刊行された。ずっと以前から日経新聞で連載していたのは知っていた。タイトルだけ。でもこれが...
映画

痩せトレで恋愛映画を発見する

【痩せトレを特集していた『an・an』(No.2248)の表紙はHey! Say! JUMP】 最近、すっかり自分の脚が太くなったと思った。 たぶん、誤解されるかもしれないが、「太くなった」は、決して「太った」(=肥満)の意味ではない。筋肉...
音楽

LUNA SEAの『MOTHER』のこと

【ロックバンドLUNA SEAの1994年のアルバム『MOTHER』】 将来、芝居がうまくなったら、シェイクスピア(William Shakespeare)やテネシー・ウィリアムズ(Tennessee Williams)の戯曲を自前でアレン...
文学

岸本佐知子さんの注文の多い料理店

【『ちくま』の好評連載。岸本佐知子さんの「ネにもつタイプ」】 前回、ホチキスの話で反響を呼んだ(?)岸本佐知子さんの「ネにもつタイプ」。PR誌『ちくま』(筑摩書房)の連載コラムであるが、今回もお調子よく紹介する。 『ちくま』2025年8月号...
ビジネス

『平凡パンチ』とサントリーレッド

【週刊誌『平凡パンチ』に掲載されていたサントリーの広告。宇津井健さん】 お酒は飲みすぎると危険だよ、というようなことを書いた「アルコール依存とオフライン女子のこと」のかたわら、手の裏を返したように〈お酒を飲みましょう〉と謳うのは、多少気が引...
性教育

『婦人公論』―こしけとおりもの

【今年立ち上げたウェブサイト[カゼヒカル やましい大人の性のテクスト]】 今年の春、大人の恋愛と性に関するウェブサイト[カゼヒカル やましい大人の性のテクスト]を立ち上げた。その名の通り、大人の恋愛沙汰と、セクシュアルな言説に刮目し、それぞ...
文学

勝手に勝手に朝井リョウさんのプライド月間書評

【朝井リョウさんが読んだ本はどれも本当に読みたくなります】 作文でいちばん難しいのは、書評だと思う。とくに長い小説の書評なんて、その作品の特性や面白さを、言葉で伝えるのは骨が折れるし、書き手はどこかで頓挫しがちである。常に原作者の意図に対す...