科学

文学

岸本佐知子さんの捨てられない話

作家と読者の衝突というのは、常につきものである。 読者が小説を読み、この本は退屈だ、セックスばかり――と抜かして落胆するが、作家からすれば、普段私たちの日常こそ平凡を装った、どきついバイオレンスの連続ではないか――と反論したくもなる。地上の...
ビジネス

悲しいお坊っちゃまたちでバグる世界

【このまま消えないでと懇願するファンも多い。草間リチャード敬太さん】 ふりかえって夏。暑さでだらりとした午後を和らげるおやつを食べたのだった。葛餅(くずもち)である。 葛餅は、葛粉(くずこ)を水で練って固めた和菓子――。 葛粉というのは、ク...
映画

『2001年宇宙の旅』と森本レオさん

【映画『2001年宇宙の旅』のサントラCD(東芝EMI)】 つい最近、『2001年宇宙の旅』の映画を観て思い出し、これを備忘録とする。『2001年宇宙の旅』のサントラ盤 1968年公開の英米映画『2001年宇宙の旅』(“2001: A Sp...
コンピューター

我がツイッター時代のツイートより―「ユリシーズ」編

Utaro/青沼ペトロのツイッター(旧ツイッター)時代のアーカイブ。◎第1期:2010年4月22日~2022年6月26日(1.5万ツイート)◎第2期:2022年9月8日~2023年4月19日(2,588ツイート)以下は、この中から選りすぐり...
映画

友という領空侵犯―『ロボットドリームズ』を観て

【パブロ・ベルヘル監督の映画『ロボットドリームズ』】 ネット上で知り合ったひろひろ(ナギ)さんが『ロボットドリームズ』について書き記し、それに私も追随してこの映画について書いておこう――というのが今回の趣旨。満を持してひろひろさんが提起した...
文学

伴田良輔の「ゲイの顔」

【伴田良輔著『愛の千里眼』(河出書房新社)】 その時代、街の大通りに軒を連ねていたのは、個人経営の商店だった。我が片田舎の町(街)の話である。 それが今では、どこも均一化して、無機質な雑居ビルばかりとなり、テナントは大概、学習塾である。四方...
テレビ

コロンボ警部が差し出したワインのこと

【サラブレッド・ブックスの『特選 刑事コロンボ』(二見書房)はあの頃買って読んだ…】 普段ウイスキー党である私が、久しく秋夜の風雅に見守られてワインをたしなむ――。きわめて珍しく。 そう、きわめて珍しいことなのだ。私がワインを飲むなんて。 ...
文学

ウォーホル解禁―伴田良輔の「キスの連鎖」

【伴田良輔氏の名著『奇妙な本棚』(芸文社)】 たぐいまれな文筆家・芸術家の伴田良輔氏の名著『奇妙な本棚』(芸文社/1993年刊)を前回取り上げたのは、もう4年も前になってしまう。「ローリー・シモンズの水中バレエ」。 Amazonでこの珍本を...
食べ物

岸本佐知子さんの食べるもの捨てるもの

【筑摩書房のPR誌『ちくま』から岸本佐知子さんの「ネにもつタイプ」】 もはや、精緻な器官による皮膚感覚というべきものに、身悶えしてしまう――。 食べるもの、すなわち口に入れていただくものへの感謝の念がこもっていて、その食材の細部にこだわり、...
ビジネス

朝井リョウさんのしあわせって何だっけ

【出たばかりの朝井リョウ著『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)】 先日、朝井リョウさんの最新刊『イン・ザ・メガチャーチ』(日本経済新聞出版)が刊行された。ずっと以前から日経新聞で連載していたのは知っていた。タイトルだけ。でもこれが...