動物

文学

開高健『開口閉口』―俗語的俗語の話

【開高健著『開口閉口』(新潮文庫)】 私が敬愛する作家・開高健氏の書き物で夢中になったのは、小説よりもエッセイ(随筆)のほうで、記憶をたどれば、珠玉のエッセイ集の『開口閉口』(新潮文庫)だったはずである。 初めて読んだ時は、ベトナムの記述が...
文学

〈再録〉夢十夜―慥かな、とてつもなく慥かな

“夢”(ゆめ)という語には、ロマンチックな趣の想像とは裏腹に、恐怖体験を俄に想起させる二重の意味が隠されている。 考えてみれば私自身、“夢”という語を創作上、それこそ何度も使い回ししているが、過去においてはっきり国語辞典でこの“夢”という語...
文学

〈再録〉開高健『開口閉口』―アリ釣りとオスとメスの話

【開高健著【開口閉口】(新潮文庫)】 ――こんな夢を見た。 人権擁護の活動家である私は、都会の喧騒を離れて、ある山荘にこもった。夜な夜な、スコッチの後に、オールド・トム・ジンをベースにしたトム・コリンズのカクテルを一杯飲む。かけているレコー...
ゲーム

〈再録〉世界ジャンボ旅行ゲーム

【タカラ社の「世界ジャンボ旅行ゲーム」】 小学生の頃、私はたいへんな“ボードゲーム狂”でした。放課後ともなると、たびたび友人達を自宅に招き、ジュースやお菓子を頬張りながらボードゲームをハシゴしました。 ボードゲームはおそらくその頃、十数個持...
写真・カメラ

石内都『さわる』における身体的男性性の発見

【写真家・石内都さんの男性ヌード写真集『さわる』(新潮社)】 学生時代に学んだ言語表現(国語)が、その領域を阻まれて思考停止に陥った経験というものがある。私の若い頃の話である。 それはつまり、自ら秘匿としていた性の領域に、外面上の身体表現の...
文学

ありったけの文学散歩

【机に向かい、一冊の本を読み始める。本に向き合えるのは実にありがたいこと】 これはとりとめのない私の文学散歩である。あちらこちらに文学の話が飛ぶ。それにかまわず翼を付けて飛ばせてみた。チェーホフからフタバテイ 若い人が、アントン・チェーホフ...
書籍

伴田良輔『眼の楽園』―ウォーホルの死

【作家・芸術家である伴田良輔氏の名著『眼の楽園』(河出書房新社)】 短い備忘録として――。 私のお気に入りの本でもある、伴田良輔氏の『眼の楽園』(河出書房新社)には、“ウォーホル”のワードがあちらこちらに散らばっている。とどのつまり、伴田氏...
ビジネス

男のサガを売りにする男たちでバグる世界

【『週刊文春』2024年9月12日号】 のっけから卑猥なことばを用いて恐縮だけれど、こいつらチンチンがついてるから男なんだと認めてしまうのは、もう時代遅れなのだということを、この稿の結論として先にいいたいのである。 男の性(さが)をサーガ(...
写真・カメラ

〈再録〉伴田良輔『眼の楽園』―社交と礼儀

【伴田良輔著『眼の楽園』(河出書房新社)】 伴田良輔氏のフェティッシュなセクシュアル・フォトグラフィー&エッセイ集『愛の千里眼』(河出書房新社)を初めて読んだ、20歳そこそこの学生の身だったあの頃が、ひどく懐かしい。東京・上野の母校に程近い...
スポーツ

〈再録〉写真集『The Sydney Dream』のこと

私の子ども時代の“オリンピック”のイメージは、ごく限定的で、1964年の東京五輪で金メダルを獲得した、“東洋の魔女”の女子バレーボール。それから、江崎グリコのゴールインマーク。このマークの由来はオリンピックと無関係であるが、グリコのキャラメ...