漱石

文学

〈再録〉唐木順三の「時代相と青年の夢」

【筑摩書房『唐木順三全集』第十二巻】 一つのつまらぬ行動から文学的体臭を嗅ぎ取るに至る偶然に出くわす。 あるスマホのアプリで、カメラで写した文書を画像に起こし、自動的にテクスト化してPDFにするという事務系のたいへん便利なものを試してみた。...
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漱石『夢十夜』―黒い波におちていく

【夏目漱石著『文鳥・夢十夜』(新潮文庫)】 “十年ひと昔”というけれど、10年前に夏目漱石の小説を読んだきり、それ以来すっかり漱石本から離れていたように思う。本当に漱石の小説は読まなくなっていた。 たぶん最後に読んだのは、『夢十夜』であろう...
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〈再録〉夢十夜―慥かな、とてつもなく慥かな

“夢”(ゆめ)という語には、ロマンチックな趣の想像とは裏腹に、恐怖体験を俄に想起させる二重の意味が隠されている。 考えてみれば私自身、“夢”という語を創作上、それこそ何度も使い回ししているが、過去においてはっきり国語辞典でこの“夢”という語...
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朝井リョウの黒タイツおじさん遭遇記

最近、『週刊文春』(文藝春秋)を読んでいて思ったのだった。 〈あれ? あの広告がどこにも無い…〉。 それは、東京ノーストクリニックさんの“◯◯治療”広告であった。 以前は、《中高年も考えたい》などといったキャッチフレーズが私の脳裏にすっかり...
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〈再録〉漱石『こころ』の身体性について

【夏目漱石『こころ』】 夏目漱石の小説を読み終えると、いつも雑駁とした気持ちに駆られる。様々な思念が頭をよぎりすぎて、判別しがたい感情の複雑な振幅にしばしの眩暈を覚える。 最初の眩暈こそ、高校時代に読んだ漱石の『こゝろ』(以下『こころ』)で...
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〈再録〉サネアツの『友情』

【武者小路実篤『友情・愛と死』角川文庫】 先月末、朝日新聞の記事を読んで武者小路実篤の『友情』をふと思い出した。あまりに長らく忘れ去っていた小説を思い出した、という感がある。武者小路実篤『友情』――。 その新聞記事は、「文豪の朗読」を聴くと...
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ありったけの文学散歩

【机に向かい、一冊の本を読み始める。本に向き合えるのは実にありがたいこと】 これはとりとめのない私の文学散歩である。あちらこちらに文学の話が飛ぶ。それにかまわず翼を付けて飛ばせてみた。チェーホフからフタバテイ 若い人が、アントン・チェーホフ...
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〈再録〉リルケの駆け落ち話

【またもや登場の高校国語教科書『新現代文』】 馴染みの薄い作家を読むと、ゾクゾクとするものを感じる。 この場合の馴染みが薄いとは、存在を知っていながらもわざと遠慮して、理解を恐れ読まずにいた、という意である。 以前ここで書いたことのある梶井...
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〈再録〉冬牡丹への懸想

【水舎門をくぐれば東照宮。そしてぼたん苑】 真新しい新潮文庫で漱石の『行人』を読んだのは、“昨年”のこと――と思い込んでいて直ちにツイッターで確認したところ、それは間違いで一昨年の秋であったことに気づいた。 時間経過の感覚が歳をとる毎に短く...
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〈再録〉朝井リョウの『生殖記』はナニを語っていたか

【はい、朝井リョウさんの『生殖記』読み終わりました】 当ブログの今月の投稿「私は朝井リョウの『生殖記』を読み始めるというのか」で予告したとおり、それから程なくして渦中の小説を読了し、今これを書いている。 朝井リョウ著『生殖記』(小学館)。 ...