こころ

文学

漱石『夢十夜』―黒い波におちていく

【夏目漱石著『文鳥・夢十夜』(新潮文庫)】 “十年ひと昔”というけれど、10年前に夏目漱石の小説を読んだきり、それ以来すっかり漱石本から離れていたように思う。本当に漱石の小説は読まなくなっていた。 たぶん最後に読んだのは、『夢十夜』であろう...
文学

〈再録〉夢十夜―慥かな、とてつもなく慥かな

“夢”(ゆめ)という語には、ロマンチックな趣の想像とは裏腹に、恐怖体験を俄に想起させる二重の意味が隠されている。 考えてみれば私自身、“夢”という語を創作上、それこそ何度も使い回ししているが、過去においてはっきり国語辞典でこの“夢”という語...
文学

〈再録〉漱石『こころ』の身体性について

【夏目漱石『こころ』】 夏目漱石の小説を読み終えると、いつも雑駁とした気持ちに駆られる。様々な思念が頭をよぎりすぎて、判別しがたい感情の複雑な振幅にしばしの眩暈を覚える。 最初の眩暈こそ、高校時代に読んだ漱石の『こゝろ』(以下『こころ』)で...