カゼヒカル

文学

〈再録〉唐木順三の「時代相と青年の夢」

【筑摩書房『唐木順三全集』第十二巻】 一つのつまらぬ行動から文学的体臭を嗅ぎ取るに至る偶然に出くわす。 あるスマホのアプリで、カメラで写した文書を画像に起こし、自動的にテクスト化してPDFにするという事務系のたいへん便利なものを試してみた。...
文学

〈再録〉殉教―その映像と文体

※以下は、拙著旧ホームページのテクスト再録([ウェブ茶房Utaro]2004年7月9日付「殉教―その映像と文体」より)。 三島由紀夫の作品に、『殉教』という短篇がある。昭和23年4月、「丹頂」に所収。三島は、この作品の自注に、〈詩人の殉教〉...
性教育

朝井リョウの見据える“中年の危機”

【『週刊文春』2026年10月15日号「“中年の危機”の照らし方」】 朝井リョウさんの書籍広告絡みで、《中高年も考えたい》というキャッチフレーズの“◯◯治療”広告――云々で私が図に乗ったのは、今年8月のことである(「朝井リョウの黒タイツおじ...
性教育

中丸雄一さんの「スネハラ」考

【『週刊文春』秋の特大号より、中丸雄一さんの「推して推されて」】 『週刊文春』(文藝春秋)9.24/10.1秋の特大号で、元KAT-TUNのメンバーで知られるマルチタレント・中丸雄一さんの連載「推して推されて」では、巷の“スネハラ問題”に言...
性教育

丁重におひかえなすって―カゼヒカルと「人新世のパンツ論」

【あなたはもう「人新世のパンツ論」をご覧になりましたか?】ウェブサイト更新終了のご報告 先日、ウェブサイト[カゼヒカル やましい大人の性のテクスト]で公開してきた「人新世のパンツ論〈花鳥風月編〉」を脱稿し、「㉑最終回・世界はパンツで出来てい...
文学

開高健『開口閉口』―俗語的俗語の話

【開高健著『開口閉口』(新潮文庫)】 私が敬愛する作家・開高健氏の書き物で夢中になったのは、小説よりもエッセイ(随筆)のほうで、記憶をたどれば、珠玉のエッセイ集の『開口閉口』(新潮文庫)だったはずである。 初めて読んだ時は、ベトナムの記述が...
文学

緑衣の青年―親密のエクリチュール

【部屋に置いてあったヘルムート・ニュートンのポラ写真】 うつろな目を見開いて、ぼんやりと視界に映り込んでいたのが、ヘルムート・ニュートン(Helmut Newton)のポラ写真だった。 開いたままの写真集は、少し灰色に褪色していて、硬直した...
音楽

〈再録〉UNICORNのペケペケ伝説

【UNICORNのアルバム『PANIC ATTACK』。左がEBIさんで、右が奥田民生さん】 今回は短めに。 昨年の初夏、約2年間ほっぽらかしていた自主製作のショートフィルムの編集を突然再開し、その間、ツイッターをやめるべくアカウントを削除...
文学

〈再録〉夢十夜―慥かな、とてつもなく慥かな

“夢”(ゆめ)という語には、ロマンチックな趣の想像とは裏腹に、恐怖体験を俄に想起させる二重の意味が隠されている。 考えてみれば私自身、“夢”という語を創作上、それこそ何度も使い回ししているが、過去においてはっきり国語辞典でこの“夢”という語...
文学

〈再録〉開高健『開口閉口』―アリ釣りとオスとメスの話

【開高健著【開口閉口】(新潮文庫)】 ――こんな夢を見た。 人権擁護の活動家である私は、都会の喧騒を離れて、ある山荘にこもった。夜な夜な、スコッチの後に、オールド・トム・ジンをベースにしたトム・コリンズのカクテルを一杯飲む。かけているレコー...