愛ちゃんの再婚でおめでとうのバグる世界

 日頃、メモ魔の私がスマホでスクショし、記事を保存しておくクセ。中には、ぽかんとしてしまうようなヘンテコなニュースもある。なんでこんな見出しでこんなどうでもいい話が、一丁前の記事になっているのだろう? というのがゴロゴロある。それを独自の目線で取り上げるのが、「バグる世界」。ちなみに前回は、髙橋藍さんの“二股スパイク”のスキャンダルであった。

あっちゃこっちゃいじられる篠塚さん

 先月の24日。LINEのエンタメニュースで見たのは、こんな見出しの記事だった。「《字が汚くてすみません》timelesz篠塚大輝 不適切発言の謝罪文の“疑惑”に関係者が完全否定」(『女性自身』より)。

 《字が汚くてすみません》で始まる見出しも珍しい。一体どういうことか?
 timeleszのメンバー篠塚大輝さんが某テレビ番組で一発ギャグを披露した際、それが不適切であった――というニュースは既に出回っていた。そうして所属事務所のSTARTO ENTERTAINMENTは、公式サイトに以下のような謝罪文を掲載した。

《この度は、番組出演時のメンバーによる不適切な言動により、多くの方々に不快な思いをさせてしまったこと、心よりお詫び申し上げます》

 この時の謝罪文には、メンバー8人全員の「直筆署名」も添えられていたという。そこでの篠塚さんの字が、“綺麗すぎる”――とざわついて、話題になったのだった。
 話題といっても、〈字が綺麗で感心したね!〉という意ではなかった。そうではなく、その逆。〈その字、綺麗すぎるだろ?〉と…。
 つまり、こういうこと。以前彼は、直筆のメッセージを公開していたことがあって、その字のなりが知れ渡っていた。書いた字が、すこぶる汚かったらしい。
 しかもその際、自分で、“字が汚くてすみません”というメッセージも残していたらしく、なかなか律儀ではある。――が、不憫な人だ。問題は、今回の「直筆署名」の字と、過去の下手くそだった字のなりと比較されて、その「直筆署名」違うだろ? 綺麗すぎるだろ? と指摘されてバズったわけである。謝罪文の「直筆署名」は、代筆ではないか――。
 記事の最後には、こんな内容が付け加えられていた。ある芸能関係者のコメントである。…彼はその後、「どんどん字が上達」して、「努力家」である彼は「丁寧に書くことを心がけていた」…。

ここで終わっちゃ彼が可哀想すぎる

 そうだ、そのとおりだと、思いたい。
 え? なにが?

 端的に、以前は字が下手だったが、だんだん上手くなって、いまでは見違えるほど綺麗な字を書く青年に…。そういう結論――。

 ただ本人であることの証明の「直筆署名」に、わざわざ代筆なんてしないでしょう。それが私の答え。
 いや、あんたの答えなんかどうでもいいと思うかもしれないが、こんなやりとりでバズるくらいに、エンタメニュースは書く側のメリットがありすぎる――ということを、私はいいたいのだ。
 どんな些細なことでも、人気タレントの重箱の隅を楊枝でほじくれ。揚げ足を取れ。そのことで、かえってタレントの知名度が上がり、逆上するファンがより熱く応援するだろう。それが書く側の大義名分。プロとしてのヘンテコな使命感。だから篠塚さん、めげないで、と書く側も思っているのかもしれない。

 あのね、こんなことを論って書いている私自身も、めっぽう字が汚いのだ。書く字が下手くそで、漢字のなりなど、トメもハネもハライも、めちゃくちゃなのである。棒線が一本足りないよ、ということもあって、人にバカにされたりもした。だから私自身、気が気でない。他人様の氏名だけは、棒線一本でも間違いたくない。それだけは心がけしている。例えば髙橋藍さんの、「髙」とかね。
 最初、字が下手といわれてくじけた彼も、死ぬ気で努力したのだろう。だから、謝罪以外の部分で、字のことをとやかく指摘された篠塚さんが、単純に不憫に思えたのだ。

 ここで人生終わるなよ。

 お昼時にカレーパンを食べながら、この篠塚さんのエンタメニュース記事を読んだ時は、本当に不憫な若者だなあと思った。イケメンのアイドル・タレントは、こんな時、荷造りしてトンズラすることもできやしない。あらゆる風当たりを真っ向から浴びてしまわなければならない運命なのだ。
 日頃から芸達者なタレントが、一発ギャグの「不適切」=不合格で終わり、それが炎上して、謝罪したかと思うと、今度は「字が綺麗すぎる」といわれ、また炎上。何もかも酷評される構図。しかしながら、彼のギャグは「不適切」というより「不謹慎極まりないもの」であったことは否めず、それは本人として深く反省すべきことではあったけれど、彼だけが悪くて、それで人生終わってしまうかのような印象を与えているメディアは、本当に彼の知名度を上げる公器の効能を黙殺してしまっていいのだろうか。
 叩けば記事になり、記事になれば叩かれる芸能界の宿命――。その奇妙で理不尽なからくり。今も昔も変わらない、“庶民どうしの合わせ鏡”のようなものなのだけれど、まあ一方で、有名人の無責任体質を諌めるクスリにはなるかとも思われる。その点、なんともいいようがない。

角田さんのまだ決め事ではなかった引退

 こんな新聞記事の見出しに驚いて、スクショしてしまった私。
《柔道の角田夏実が現役引退へ パリ五輪で金メダルの「遅咲きの才能」》

 2024年パリ五輪の金メダリスト、令和の柔道王である角田夏実さんが、「現役を引退」し、「結婚」するのではないかという噂が飛び交ったようで、12月7日付で朝日新聞の記事に。
 しかし本人は、これを否定している。「まだ決断に至っていない」とのこと。この12月7日時点での報道は、メディア側の完全な勇み足であった。

 この頃の記者は、書く内容が軽いのだ。パソコンで、カチャカチャ打っているからか。
 いや、そんなことではない。頭の中が軽いのだ。だから、他人の「引退」も「結婚」も、軽く考える。とどのつまり、文章が軽くなり、表に出ることの意義もめっぽう軽くなってしまっている。
 いったいこの件で、誰が責任を取るつもりなのだろうか。取材した内容が、公式見解なのか非公式なのか、あるいはオフレコであるのかを精査することもなく同列に扱って平気でいられる社内の体質。これではメディアというのは、「人権侵害」又は「人権蹂躙」の量産ファシストではないか。悪念の極みである。

 ちなみに角田さんの別のトピックに、私はさらにびっくりした。「卵子凍結」を決断――(Benesse[たまひよ]サイトより「【柔道金メダリスト・角田夏実】『結婚したい』『母親になりたい』。33歳、新たな夢と卵子凍結を決断するまで」)。こちらはどうやら、本当のようです。

愛ちゃんおめでとう

 私の「バグる世界」の常連は、なんといっても愛ちゃん。いわば卓球王の福原愛さん。
 12月22日付の『女性セブン』が報じたのは、なんと愛ちゃんの「再婚」と「妊娠」(「【独占インタビュー】福原愛が再婚と妊娠を衝撃告白 『新しい命、家族が増えるのは率直にうれしい』信頼できる“パートナー”だった知人男性と入籍」)。

 もう一度、ちゃんと記しておく。福原愛さんの、「再婚」と「妊娠」。衝撃のニュース。
 こちらは本人お墨付きの軽い報道(?)。いや、そんなこといったら怒られてしまうから訂正しておく。…とはいえねえ、愛ちゃん関連のニュースが、どんどん軽くなっていくから怖いのよねえ。

 再婚のお相手は、これまで話題に上がっていた、知人男性のA氏である。信頼できるパートナーという形でお付き合いをしていたようだが、相手のご家族から、結婚してはどうかと勧められたそうである。今年の初夏に入籍。妊娠も判明したとのこと。
 いや、ほんとに軽いなんていっちゃいけないが、愛ちゃんが幸せになるのなら、それでいい。ハピネスな話題だと思う。

 そうなると、今後、あっちの彼――台湾の卓球王子の江宏傑氏のトピックは、もう全く別個のものとなってしまうわけで、私も今後、江氏をどう表現していいのかわからないし、別れた二人の片方を、さらに追っかけていく気概が私にあるのかさえわからない。
 しかし、愛ちゃんも江氏も、どちらも離婚という形を経験して、自分自身の幸福とはなんぞやを模索し、あらためて諸々を上書きし、過去に苦しんだ部分もあったかもしれないが、新しい道を築けていっているのではないかと想像して已まない。もはやこの点においては、高村光太郎の「道程」の詩はいらないようである。

 ということで、来年も「バグる世界」を続けていくと思うので、皆様、応援よろしくお願いします。
 ではまた。

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